たまごぱかっ
夕食に目玉焼きを出したら、卵を持つふりをして、こんこん、ぱかっと言いながら両手で割っていた。
いつのまに、卵は割るものだって知っていたのだろう。
びっくりした。
クッキー、どきんちゃんクッキーと言いながら、アンパンマンせんべいを分けてくれて、私が食べると「おいしいね」と言って「ねー」のところで首を傾けていた。
引き出しの中身を誤ってぶちまけてしまったときには小さい声で「ごっしゃい、ごっしゃい」と頭を下げていた。ごめんなさいってことだと思う。まだ教えてない。保育園で教えてもらったんだと思う。わざとじゃないのはわかったし、正直言って全然悪さとは言えなかったので、謝らなくていいのになと思った。それで「大丈夫だよ」というと、にこにこしながらうなづいていた。
ジュースをこぼした時もやっぱり「ごっしゃい」と言いながらタオルで拭いていた。
それは「ちゃんと拭けて偉いねーいい子だね、こぼしちゃって残念だったね」と言った。
私がストレッチしているとすごく怒って髪の毛をつかんで頭を持ち上げようとするんだけど(それは悪いので叱る)、今日は前屈させてから肩の上に上って、強制的に肩車をしてきた。
重かったのでよいしょと下すとエンドレスで登ってきたのであきらめて、そのままテレビを見た。
バナナをアナナではなく「バナナ」というようになった。
「バナナー」というので出したら「バナナおししょう(バナナおいしそう)」と言った。おいしいね、とおいしそう、が区別できて、その概念も把握しているんだと思うと胸が熱くなった。
両手で眼鏡を作って、どこにいるの?みたいに左右に首を振って、「てって、ったー(ママ、いた!)」という遊びをした。
私も目の周りを手で覆って、左右に首を振って、「どこ?どこ?いたー」というのをした。
最近は、過去の話もできるようになった。過去という時間の概念ができたことに驚いた。
こんな調子。
「ねんねくった。ねんね、ちごう。えんえん、あっこっこ、くった」
(ねんねした、ねんねちがうって言った。それでえんえん泣いた。だっこしてもらった)という意味だと思う。くった、というのはどうやら「かった」という過去形の様子。